Do it Yourself(ドゥー イット ユアセルフ)、略してDIY
少し前までは「日曜大工」などと言われていたことなのですが、ここのところ身近な作業として、また趣味として取り組む人が増えてきています。
高いお金を業者さんに払わず、また自分の都合にあった小回りの利く作業のできるDIY。
今回は興味がある、またはこれから始めたいという方向けに、まずどんな販売店でどんな工具からそろえていけば良いかについて挙げていきます。
-
便利で小回りの利くDIYの始め方
-
自分でちょっとした工夫のできるDIYが注目されています。
もともとDIYという用語自体は戦後のイギリスで破壊された街を復興する際に「自分でやろう」という趣旨で使われ始めた標語です。
その後自分で自宅の修繕をしたり小物を作ったりする作業全般を指すようになり、どんどん身近な存在になっているDIY。
一度工具さえそろえばそれほどコストがかからず自分の納得のいくものが作れるという便利さ、手軽さから日本でもどんどん人口が増加し、工具の種類や販売店も増えていています。道具の進化でこんなに便利になったDIYの世界!
「日曜大工」と言うと、日曜日にお父さんがのこぎりを引いたり、クギをトンカチでトンテンカンテンと打ったりしているのを思い浮かべませんか?
実際に子供のころ手伝わされたのはまさにそういう日曜大工で、すごく泥臭いというか大変なイメージがあるものです。
しかし最近のDIYは便利な工具が次々と導入され身近な販売店で売られていることもあり、自宅でできる作業の種類も増え、また作業も格段に楽になってきました。
目的に合った正しい工具を用意すれば、楽しみながら手軽に環境を作り替えていくことができます。今から始めたい人が抑えるべきポイント
一口にDIYと言っても自宅の修繕から棚の作成など、いろいろな目的があります。
もちろんその目的に沿った工具を買っていくことが大切なのですが、多くの作業に共通して必要で「これだけは持っていた方がいい!」というものがいくつかあります。
それだけは優先順位をつけてできるだけ早く買うようにしたいですね。
また同じ工具でも初心者向きと、機能は高いもののそうではないものもあるのでいきなりマニアックなものを買ったりせず、予算や目的を意識しながら、できるだけ幅広く使えるものから順にそろえていきたいところです。
-
まずはホームセンターで必須工具をそろえよう
-
○自分の手に取って選ぶことができ、使うときの感触もイメージすることができる。
○目的に合った工具を、店員さんに相談して選びやすい。
○後日迷ったときや疑問点などがあれば店員さんに聞いてフォローしてもらいやすい。 - ランキング等を参考にして、およその使い勝手を確認できる。
Amazonなどの通販サイトでは、ジャンルごとの人気商品をランキングで確認することができます。
やはりよく売れているものほど幅広い用途があり、使い勝手も良く、初心者でもいろいろな目的で使用できると考えられるのです。
ホームセンターで手に取って、すごく良ければその場で買ってしまうのもいいのですが、その工具がそのジャンル(例えばインパクトドライバー)でどのくらい人気なのか、それ以上の人気商品はあるのかなど知っておいた上で買うと安心ですね。 - レビュー等を参考にして、あらかじめ起こるトラブルもイメージできる。
Amazonなどの大手通販サイトでは、(人気商品などでは特に)レビューの数が多く参考になります。
使ってみたらこういうことが困った、こういう使い方には向いていない、こういう時に便利だった、など多くの情報を目にすることができます。またトラブルに見舞われたときの解決方法が書かれていることも少なくありません。
もし十分な時間があれば一度ホームセンターで店員さんお勧めの工具を手に取って相談したうえで、一度帰ってネット上でその商品について調べたうえで購入する…というのが万全かもしれません。
工具自体はやはり安い買い物ではないので、しっかり検討してから買うというのであればこういうネットの活用法もあります。 - そのままネットで買ってしまうという方法もある。
サイトによってはネット通販の価格がホームセンターより安いこともままあるので、レビューなどを確認して良さそうであればそのままそのサイトで購入してしまうのも方法です。
ただネット通販の場合は、その後のサポート(使い方相談やトラブルの対応)をしてもらうのに時間がかかることが多いこと、また通販ならではのトラブル(不良品が届いた、商品が届かないなど)も少数ですがありますので注意が必要です。
もしネットで購入するのであれば十分に手に取って情報を持っているか、そのジャンルについての工具をすでに買った経験があるかどちらかの場合がいいかもしれません。
これから始める人がある程度まとまって必要な工具をそろえるのであれば、なんといってもおすすめはホームセンターです!
規模などにもよるのですが、ほとんどの目的に沿った工具がそろっていて種類も豊富です。
ネットなどでなくホームセンターで買うメリットとしては、
などがあります。
あとはホームセンター以外にも地域の工具専門販売店、ネットでの購入などの方法があります。
ネット(Amazonなど)での購入は一般にホームセンターより価格が安いことが多いのですが、初めてそのジャンルの工具に手を出す場合はあまりお勧めできません。
使い方で迷ったり困ったりした場合、最初のうちは気軽に相談できることも大切なので、実店舗で購入した方が電話一本や直接の話で相談しやすいからです。
工具を買う際のネットの活用法とは?
それではAmazonなどのネット通販サイトは、どのように活用したらいいのでしょうか?
いくつかのパターンを紹介すると、
初心者がDIY工具をそろえる時の注意点
こうして考えてくるとポイントとしては
○DIYの中でも自分がどんな作業がしたいのかよく整理して、目的に合ったものをそろえていく。
○最初から高機能でマニアックなものを買い過ぎない。
○一度も手に取らずに買うことは、できるだけ避ける(ネット通販)
ということになると思います。
『いざ作業を始めようとすると、必要な工具が足りないことに気付いた(二度手間)』
『逆に必要のない機能がたくさんついた工具を、高いお金で買ってしまった』
『買ったはいいが使い方がうまくわからず、トラブルになったがうまく相談できない』
こうしたことは避けたい、と意識していくことが大事でしょう。
-
『どんなDIY作業をするのか』は人それぞれですが、ここではあくまでも平均的(万能)を目指す買い方をする前提で、お勧め工具を整理しながら上げていきたいと思います。
- カットする…板などを切断する作業です
- 接合する、穴をあける…板同士などをくっつける作業です。棚を作る際などをイメージすると分かりやすいです。
- はかる…作業前に必須ですね。正確に寸法を測って計画していくためのものです。
- 削る、仕上げる…表面を削ったり塗ったりして仕上げていくためのものです。
- インパクトドライバー
- ジグソー
- クランプ(固定器)
- 電動サンダー(電動ヤスリ)
- メジャー
- サシガネ
- ハケ(塗装用)
- ペンチ
作業ポイントは大きく4つ! それぞれに工具がほしい
手作業であれば『ノコギリ』一択ですね…。
ただ電動であればカットするものの大きさ次第で『丸ノコ』『ジグソー』『チェーンソー』『糸ノコギリ』など、いくつかの物から目的に合ったものを選んでいく必要があります。
手作業であれば『ハンマー』『ドライバー』『キリ』などが必要でしょう。
電動であれば『インパクトドライバー』、『ドライバードリル』などがあると作業が格段に楽になり、少ない種類の工具でいろいろできます。
これは電動か手動か関係なく『ノギス』、『サシガネ(平行や垂直を正確にするため)』『水準器』『メジャー』などがあります。長さを正確に測ること、傾きやゆがみをなくすこと、この2点を達成する道具ですね。
電動であれば『ベルトサンダー』や『手押しカンナ盤』『電気カンナ』など。
手作業の場合『カンナ』『ハケ』『塗料』などです。
この4つ以外にも細かい作業は発生しますし消耗品に近いもの(釘など)や固定のための器具(クランプなど)も必要なのですが工具としては、この4つを抑えていけばおおむねいいと思います。
初心者にお勧めの工具例ベスト8はこれ!
上記の「4つの作業」のために、どんな優先順位で買っていけばいいのでしょうか?
あくまで一般的な例なのですが上位8つについて考えてみました。
いまやDIYの王道です! たくさんのメーカーから多彩な機種が販売されています。
ドライバー部分を交換していくことでクギやネジ用の穴をあけていったり、クギやネジを打ち込んでいったりなど『接合する』ことについてこれ1つでかなりの作業をすることができます。
他のタイプの電動ドライバーと違うのは押し込む力(インパクト)があるので、しっかりとネジ等を取り付けられるということですね。
日立工機のFWHシリーズやマキタのED022DSHXWなどが人気のようです。
付属のドライバーの種類などを見て参考にするといいかもしれません。
DIY用おすすめのインパクトドライバー!!
いわゆる電動ノコギリです。直線的なブレード(刃)を電動で上下させて切っていきます。
手動ノコギリと違って格段に楽に、正確に切っていくことができます。
丸ノコなどと違って小回りが利くので電動ノコギリの中では初心者向けといえるかもしれません。
速度が変更できるタイプとできないタイプがありますので、付属のブレードの種類とそのあたりの説明をよく見ておいた方がいいかもしれません。
パナソニックから出ているEZ4541LSシリーズや、マキタのJV0600シリーズなどが人気のようです。
電動ではないのですが初心者の場合使用頻度はかなり高い工具といえます。
切断や接合をする際、振動で板が動いてしまい歪んでしまう…こういったことはよく起こりますので、作業台に板を固定したり、動かないようにしたりするのに使います。
『はさんで、固定する』外見の物が多いです。これはメーカーに関係なく色々なものが販売されていますので、『台に固定するのか』『垂直に板同士を固定して作業したいのか』など作業をイメージしつつ、できるだけ手に取って買った方がいい工具の一つではあります。
仕上げとして表面を削ったり、塗装前にヤスリをかけたりすることは多いですが、手動の場合かなりの時間と体力を消耗してしまいますので、電動がお勧めです。価格はピンキリですが3000円台から安いものは出ていますので検討してみるといいかもしれません。
言わずと知れた(はかる)道具です。価格は精度でピンキリなので、目的を考えて買うといいでしょう。
DIYの場合一般にはそれほど長いもの(3メートルや5メートル以上測らなければならないもの)は必要なく、その代わりミリ単位の誤差がないことが大切なので、意識して選んでいきましょう。
垂直定規のような外見をしています。
板をカットする際正確に線を引いたり、棚を垂直に取り付けたりするとき等実はかなりの頻度で使うことになります。シンワ測定さんなどからかなりいろいろな種類の物が出ていますが価格は1000円以下の物も多いので長さをよく見て目的別に買うと良さそうです。
細かい木くずなどを払うときにも使いますが主に塗装用です。
塗料によって使い分けるのが原則なのでいくつか買っておくといいでしょう。
毛先の細かさを見て仕上がりをイメージして選んでいくのがいいと思います。
これはもちろん手動ですが一度さしたクギを抜いたり、何かトラブルがあった時に使うケースが多いです。
一つあると、何かあった時に助かる…そういうタイプの工具ですのであるといいですね。
※そのほかにはどんなものが必要なのか?
他には細かいところで消耗品(釘やネジ、塗料など)、小回りの利く作業が必要になった場合に備えて小さめのノコギリやハンマー、ドライバーなど(すべて手作業ですが)があると、電動で小回りが利かなくなった際にフォローしやすいかもしれません。
DIYの用途は多彩で奥が深いので切りがないのですが、一般的な作業を木工中心にイメージして効率よくそろえるための順位を考えてみました。
-
DIYの作業(目的)はとても幅が広いです。
家の修理、家具の修理、ちょっとした家具の作成など…用途に応じて道具も違いますし、上記の工具は目安にすぎません。
まずは自分が何をしたいのか(夢の部分も含めて)書き出してみて、それをもとに考えたりホームセンターの人に相談してみるのも方法だと思います。
電動で工具をそろえるメリットとは?
工具には『手動』と『電動』の2種類があります。
それぞれにメリットがあるのですが手動の場合はなんといってもコストがかからないということが言えるでしょう。
ただ初心者さんが『これからDIYを趣味にしていきたい』という場合は、できれば主要なものは電動工具でそろえることをお勧めします。
その大きな理由は『スタートのモチベーション』です。
『切る』『接合する』『削る、塗る』『図る』といった作業の中で、『切る』『接合する』は特に、手動の場合は時間もかかりますし、体力もかなり使います…。
この2つの作業は特に電動との差がつきやすいのです。
例えばのこぎりで板を切断する作業を取ってみても、普通に切っても汗だくになります。
また慣れていない場合木目などに対応して適切に切ることができなかったり、手作業だと歪んでしまい思い通りにならなかったりなど…「時間的なコスト」がかかるうえにやり直しのリスクもあるわけです。
したがって『本当にこの一つの物しか作らない』という場合や、『自分は慣れているから大丈夫』という場合以外は、初心者の方の場合できるだけこの2つの作業は電動工具で始めていくことをお勧めします。
趣味としてのDIYで見ていくと、続けていくためのモチベーション(やる気)は大切です。
最初は楽しそうでも作業で汗だくになってしまい思い通りにいかなければ、それで気持ちが折れてしまい、繰り返し作業をすることの敷居が高くなってしまいやすいということもあります。
手動か電動か、好みは人それぞれなのですが、逆に『この道具を使いたい』という気持ちからDIYへの意欲が引っ張られるということも多いので、ぜひ電動工具を勧めたいと思います。
ぜひ一つ一つ、揃えていってください!