意外と身近にある! VVFケーブルとは?

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VVFケーブルとは?

VVFケーブルは「Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable」(バイニル・インシュレーティッド・バイニル・シーズド・フラット・タイプ・ケーブル)の頭文字を取って名付けられたものです。
「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」のケーブルで、由来となった構造としてはビニルの被膜の外側にビニルシースで覆った単純な構造のケーブルとなっています。
低圧屋内配線(300ボルト以下の配線・コンセントの回路に使われる)で非常に多く使用されます。
規格としては2心・3心・4心の3種類が生産されていて、主に2心と3心を使い分けて配線がされています。
メーカーとしては富士、矢崎、住電日立、協和電線、愛知電線など各社から販売されています。
どんな場所で使用されているのか?

原則として屋内専用ケーブルとして使用されます。
ビニルで保護しているVVFケーブルは屋内ではとても丈夫なのですが、ビニルは直射日光に弱いため屋外では数年で被膜が割れてしまい、水分が浸透するなどして絶縁などの劣化を引き起こしてしまいます。
絶縁劣化を引き起こしたケーブルというのは、すぐ寿命がきて最悪の場合発火してしまう恐れもあるので、もし屋外でVVFケーブルを使用する場合は電線管などに収容するなど、ケーブルを熱や光から保護するようにして直射日光を避ける対策が必要です。
屋内のコンセント回路などに利用されるのが一番身近でメジャーな、VVFの用途となっています。
VVFケーブルの色には意味がある?

VVFケーブルの表面色は、グレーだけではなく赤・青・黄色などのカラーがあり、中でもグレーが最も多く用いられているようです。
色と機能は特に直接のかかわりはないのですが、たとえば保安電源を持つ施設の場合は、一般回路についてはグレーのケーブルとし、保安&非常回路は黄色や赤のケーブルといると電源種別の判別が簡単にできるというメリットがあります。
このケーブルは機能上1か所に集中して多数が用いられるケースが多く、それゆえに誤ったケーブルをいじると障害が出てしまうのでそれを防ぐために色分けが利用されているわけですね。

たとえばデパートなどの商業施設の場合、本工事のVVFケーブルをグレーにし、テナントのVVFケーブルをカラーケーブルにすれば、誤って本工事側のケーブルを切ったり、つなぎ間違えるといったリスクを減らしているわけです。
VVFケーブルの取り扱い注意点

  • 束ねすぎないため注意が必要…
  • VVFケーブルでよく使われる方法として天井のある空間であれば、あえて電線管に収容せずに敷設する「天井転がし」と呼ばれる手法も多いです。
    あまりに多くのVVFケーブルを束ねるとそれぞれの放熱性が悪くなり、許容電流の低下を引き起こす恐れがあります。結果として発火してしまう危険性すらあるので、一般には5本から7本程度までのなるべく少ない本数で束ねるのが望ましいとされています。

  • 寿命に影響する条件には注意…
  • VVFケーブルは屋内で、許容電流を超過しない安全な使用環境で使っていれば大体20年から30年の寿命を期待できると思って大丈夫です。しかし適していない使用場所に設置したり、許容電流を超過する電流を流すと、構造上寿命が大きく減少してしまうことがあるので注意が必要です。
    ここで大切になってくるのが絶縁抵抗測定をして寿命かどうか確認するという作業になります。
    ケーブルの絶縁抵抗測定をして絶縁性能が失われてきたことが確認できればケーブルの寿命と判断し交換が必要になります。これは絶縁抵抗計という機械を使用し、ケーブルの寿命が尽きたことによる感電・漏電を防止するために行われる測定なのです。

VVFケーブルの接続と加工法

従来からVVFケーブルの接続は,「リングスリーブ」という電線同士の接続に使う鉛製・筒状の部材を使った「圧着接続」という方法で行われています。
圧着接続とは、一見ペンチのような圧着工具によって配線の接続を行うことで、接続部分を圧着工具で強く圧迫することで接続していきます。
最近では利便性の向上を考えその代わりに「差し込みコネクタ」なども使用することもあるのですが、接触不良も起きやすいためリングスリーブと圧着工具を使用した圧着接続を使用する例はまだまだ多く、差し込みコネクタの使用を禁止しているデベロッパーなどもあるほどです。
工具を使い確実に1つ1つ接続するのがベストということですね。
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